チャレンジタッチは目に悪い?視能訓練士が最近の知見と我が家の使い方を紹介

子どもの目について
夫

「チャレンジタッチって、目が悪くなりませんか?」——職場でも聞かれたことがある質問です。

妻

タブレット学習が当たり前になった今、気になりますよね。

結論からお伝えすると、気をつけたいポイントは、チャレンジタッチに限らず、タブレットもスマホもゲームも共通です。大事なのは、①1日に画面を見る時間の合計、②画面との距離、③外で過ごす時間の3つ。そしてもうひとつ、目のためというより睡眠のために「夜は使わない」——この点も合わせて紹介します。

私たちは夫婦とも視能訓練士(眼科で検査を担当する国家資格)です。我が家も娘2人がタブレット教材(チャレンジタッチ)やゲームを使っているので、最近の眼科分野の知見と、我が家で実際に気をつけていることを紹介します。

この記事の内容は、特定の教材に限らず、タブレット・スマホ・ゲーム機に共通する話です。


チャレンジタッチは目に悪い?【結論】

チャレンジタッチをはじめとするタブレット教材そのものが、特別に目に悪いわけではありません。目への負担を決めるのは「何を使うか」より「距離・時間・時間帯」です。

そもそも、「目が悪くなる(=近視が進む)」と何が困るのでしょうか。眼鏡やコンタクトが必要になるから、だけではありません。近視が強くなると、大人になってから目の病気になりやすくなることが分かっています。子どものうちに近視の進行をゆるやかにすることには、将来の目を守る意味があるんです。

研究で近視のリスクとして指摘されているのは、「近くを見る作業(近業・きんぎょう)を、近い距離で、長く続けること」です。目安として、30cm以下の近い距離での作業や、30分以上続けて行う作業は、近視が進むリスクを高めることが報告されています。これはタブレットやスマホに限った話ではなく、実は紙の読書や宿題でも同じです。

とはいえ、「30分以上続けない」を毎日きっちり守るのは、正直むずかしいですよね(宿題だけで30分を超える日もあります)。完璧を目指すより、「30分に1回、20秒ほど顔を上げて遠くを見る」くらいのゆるい運用で十分だと私たちは考えています。

ちなみにチャレンジタッチのレッスンは1つ数分〜10分ほどで区切りが来るので、休憩は挟みやすい教材です。我が家では1回15〜20分ほどで切り上げています。心配すべきはむしろ、そのあとのゲームや動画も含めた「合計時間」のほうです。


「視力が落ちたかも」と思ったら——環境と遺伝の話

ここでいう「視力が落ちる」は、近視が進んで、裸眼視力(メガネなしの視力)が下がることを指します。原因を教材だけに求めず、環境要因(近くを見る時間・外で過ごす時間)と遺伝要因の両方から考えるのがポイントです。

近視の進行に関わる環境要因は、タブレット教材だけではありません。ゲーム・動画・スマホ・学校のタブレット、それに紙の勉強や読書も含めた「近くを見る時間の合計」と、「外で過ごす時間」がまとめて関わります。今は学校でも1人1台端末での授業が進んでいるので、「家庭の教材だけ減らしても、近くを見る時間の合計はほとんど減っていなかった」ということが起こりがちです。

もうひとつ知っておいてほしいのが、遺伝です。国内の全国調査では、ご両親がともに近視の場合、お子さんは約2.5倍、近視を発症しやすかったと報告されています。つまり、使い方に気をつけていても近視が進むことはあります。

学童期は、近視の進行が起こりうる時期です。作ったときは合っていたメガネやコンタクトが、合わなくなってくることもあります。「見えにくそうだな」と気になったら、眼科で今の目の状態を確認してみてください。


我が家で気をつけていること5つ

夫婦とも視能訓練士の我が家で、娘たち(小6・小2)がチャレンジタッチやゲームなどの画面を使うときにやっていることです。特別なことはしていません。

1. 時間は「今日の目標レッスン数」に合わせる

チャレンジタッチは、その日の目標レッスン数を端末が示してくれます。我が家はその区切りに合わせて、1回15〜20分。「キリのいいところで終わる」仕組みとして、そのまま使っています。

2. 使うのは朝。寝る前1時間は画面を見ない

我が家では、登校前の朝に15分ほどやっています。夜は基本的に紙の勉強です。

寝る前に画面の強い光(ブルーライトを含みます)を浴びると、眠りを促すホルモン「メラトニン」の分泌が抑えられ、体内時計(サーカディアンリズム=概日リズム)が乱れて寝つきが悪くなることが知られています。目のためというより睡眠のために、夜は画面を使わない——これはゲームや動画にも共通するおすすめです。

3. 距離は「30cm以上」。「勉強の姿勢じゃないでしょ〜」

目安は、画面から顔を30cm以上はなすこと。30cmは「ちょうどいい距離」ではなく、「これより近づきたくないライン」です。

我が家では、ソファに座って、タブレットカバーのスタンドで画面を立てています。それでも集中してくるとだんだん顔が近づいていくので、そのたびに「勉強の姿勢じゃないでしょ〜」と声をかけます。それで戻るなら十分です。

画面を机やひざに寝かせず立てるのは、のぞき込む姿勢を防いで、距離を保ちやすくするコツです。

4. ブルーライトカット設定はON。ただし過信しない

チャレンジタッチにはブルーライトカットの設定があり、我が家もONにしています。

ただ、正直にお伝えすると、ブルーライトカットで近視を予防できるという医学的な根拠は、今のところありません。日本の眼科系の学会も、子どものブルーライトカット眼鏡の常用には慎重な立場を表明しています。「夜の光刺激やまぶしさへの配慮としてONにしておく。それで守れている気にはならない」くらいの位置づけがちょうどいいと思います。

(※この「慎重意見」は、日本眼科学会・日本眼科医会・日本近視学会・日本弱視斜視学会・日本小児眼科学会・日本視能訓練士協会の6団体によるものです。私たち視能訓練士の団体も名を連ねています。)

5. いちばん効くのは「外で過ごす時間」

近視予防で今いちばん根拠がはっきりしているのは、実は屋外で過ごすことです。1日2時間ほどの屋外活動が近視の発症を抑えることが、台湾の学校ぐるみの取り組みなどで示されています。

我が家は娘2人が週3〜4回バスケに通っているので、平日は家でタブレットやゲームに触れる時間が自然と短くなっています。習い事でも、公園でも、通学でもかまいません。外の光を浴びる時間を先に確保する——我が家がいちばん意識しているのは、タブレットの設定より、こっちです。


タブレット学習の端末は、ここを見ると安心——視能訓練士目線の3つ

どの教材・端末でも、目の面で見ておきたいポイントは「画面の大きさ」「区切りやすさ」「光の設定」の3つです。

  • 画面はできるだけ大きく:スマホは顔から20cmほどまで近づいてしまうという報告があります。画面が大きい端末は、離れていても見やすいぶん、視距離(目と画面の距離)を取りやすくなります。スタンドで立てて使えば、さらに距離を保ちやすくなります。
  • 「区切り」を作りやすいか:レッスンや章の切れ目で手を止められる教材は、休憩を挟みやすくなります。チャレンジタッチは1レッスンが数分〜10分ほどなので、区切りは作りやすい部類です。
  • ブルーライトカットなど光の設定:あれば使う。ただし過信しない(前の章のとおり)。

※機能の名称や仕様は変わることがあります。最新の情報は各教材の公式サイトでご確認ください。


至近距離での使いすぎで起こる「急性内斜視」のこと

最後に、視能訓練士として知っておいてほしい話をひとつだけ。

スマホなどをとても近い距離で長時間使い続けた子どもで、急に目が内側に寄って物が二重に見える「急性後天共同性内斜視(いわゆるスマホ斜視)」の報告が近年増えていて、学会でも全国調査が行われています。はっきりした発症ラインは分かっていませんが、報告に共通するのは「20cmほどの近い距離で、長い時間」という使い方です。

これは、ふだんの学習で起こるようなものではありません。ただ、教材・ゲーム・動画を合わせた時間が長くなりがちなご家庭では、頭の片隅に置いておいてほしい話です。もしお子さんに、

  • 急に物が二重に見えると言う
  • 片目をつぶって物を見る
  • 目が内側に寄っている気がする

といった様子があれば、眼科を受診してください。

検査を担当する私たち視能訓練士は、お子さんの目の状態を一緒に確認する役割です。気になるサインがあるときは、どうぞ遠慮なく眼科を頼ってくださいね。


まとめ:大事なのは「合計・距離・外」、そして夜は睡眠のために

特定の教材“だから”目が悪くなる、ということはありません。タブレットもスマホもゲームも共通で、近視の面で見るべきは、①1日に画面を見る時間の合計、②画面との距離、③外で過ごす時間の3つ。加えて、④夜に使わないのは「目のため」というより「睡眠のため」。我が家もこれくらいを意識して、あとはゆるく使っています。

タブレット教材だからと、目のことを心配しすぎなくて大丈夫、というのが視能訓練士としての率直な感想です。使い方は、ご家庭で無理なく調整できます。この記事で紹介したポイントを頭の片隅に置いて、気になる使い方を少しずつ避けていけば十分です。

我が家が使っているタブレット教材は、進研ゼミ小学講座(チャレンジタッチ)です。

すでに使っていて視力が気になる方は、原因はひとつではないので、まず眼科で今の目の状態を確認しつつ、合計時間・距離・外の時間、そして夜の使い方を見直してみてください。学童期は近視が進みやすい時期でもあるので、気になれば眼科でご相談を。

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参考文献・一次情報

  • 五十嵐多恵「デジタルデバイス視聴と近視」臨床眼科78巻13号(2024)
  • 川崎良「近視の疫学」眼科67巻10号増刊(2025)
  • 西川典子「デジタルデバイスと内斜視」臨床眼科78巻11号増刊(2024)
  • 増田彰則「子どものインターネット・ゲームの長時間使用と睡眠障害」小児科診療88巻10号(2025)
  • 日本眼科学会・日本眼科医会・日本近視学会・日本弱視斜視学会・日本小児眼科学会・日本視能訓練士協会「小児のブルーライトカット眼鏡装用に対する慎重意見」(2021)

※この記事は一般的な情報提供を目的としています。症状や対応には個人差があります。気になる症状があるときは、眼科でご相談ください。

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