
「眼科の先生に怒られた…」と、ちょっと落ち込んで帰った経験、ありませんか?

その気持ち、よく分かります。「そんなにダメなこと?」「どんなトラブルがあるの?」——その理由を、一緒に見ていきましょう。
眼科で「怒られた」「注意された」と感じること、ありますよね。その気持ちは、とても自然なものです。眼科がいろいろとお伝えするのは、あなたの目を大切にしてほしいから。人は外界からの情報の80〜90%を目から受け取っているとも言われ、目の健康はとても大切です。この記事では、眼科でよく見かける「目にとって少し心配な行動」と、その理由を、患者さんの目線で解説していきます。
はじめまして。私たちは、眼科で検査や視能訓練を担当している視能訓練士の夫婦です(→ 私たちについて)。
待合室で患者さんどうしが話していたり、検査のときにふと「この前、眼科の先生に怒られちゃって…」とこぼされたりすることがあります。でも、そのとき先生から伝えられたことには、たいてい理由があります。今回は、眼科でつい注意を受けやすい行動を7つ取り上げ、その理由を一つずつ説明していきます。心当たりがあるかもしれませんが、大切なのは、これからどうするかです。
眼科で注意されやすい7つの行動(まず一覧)
| やりがちな行動 | 眼科が心配する理由 | 次にできること |
|---|---|---|
| 1.「まあいっか」と様子見 | 悪化すると治りにくくなることも | 続く・強くなる症状は早めに相談 |
| 2. 健診で引っかかったのに行かない | 見え方の変化は気づきにくい | 「確認の入口」として受診 |
| 3. 再診や経過観察を後回し | 進行しても見え方の変化に気づきにくい | 予定された再診は行く |
| 4. 散瞳検査を受けずに帰る | 目の奥や病気の進行を確認できない | 車の日は事前に相談 |
| 5. コンタクトの上から目薬 | 種類によっては目に障害を与えることも | 「対応/非対応」を確認 |
| 6. レンズケアを簡単に済ませる | 目を守る習慣だから | こすり洗い・ケース交換 |
| 7. 自分で度数を強くする | 度数が合わないと眼精疲労などが起こることも | 眼科で相談して調整 |
注意されやすい行動7つを、やさしく解説
1.「まあいっか」と様子見してしまう
「ちょっと充血しているだけ」「痛いけど仕事が忙しくて」——目に限らず、ちょっとした不調は、仕事や家のことを優先して後回しにしてしまうこと、ありますよね。その気持ちは、とてもよく分かります。
ただ、来院される方のなかには、自覚症状が出てからしばらく様子を見ているうちに状態が悪くなり、治療に時間がかかってしまったり、病気そのものが進んでしまっていたりすることもあります。痛み・充血・見えにくさ・まぶしさなどが続くときは、早めに相談していただけると安心です。
2. 健診で引っかかったのに受診しない
健診の「要精密検査」は診断ではなく、「眼科でくわしく確認しましょう」という入口です。見え方の変化は自分では気づきにくいことがあります。
目の病気には、ゆっくり進む「慢性(まんせい)疾患」——長い時間をかけて少しずつ進行していくタイプの病気——が少なくありません。たとえば、目と脳をつなぐ神経が少しずつ傷んでいく緑内障や、糖尿病によって起こる糖尿病網膜症などです。こうした病気は初期の段階では自覚症状が出にくく、「見えにくいな」と気づいたときには、すでにだいぶ進んでしまっていることもあります。
だからこそ、健診で指摘されたときは、ご自身の目の定期点検だと思って、一度眼科で確認してあげてください。進行をふせぐためにも、早めの受診が安心です。
お子さんの健診については、こちらの記事もどうぞ → 「子どもの眼鏡はいつ作る?」
→ 詳しくは別記事で解説予定です(準備中)「健診で目のことを指摘されたら?」
3.「また来てください」と言われた診察を後回しにする
「変わりないなら行かなくてもいいかな」と思いがちですが、定期的な診察では、前回と今をくらべて、よくなっているか・悪くなっていないか、お薬が合っているかなどを確認しています。見た目では気づきにくい変化を見つけるための、大切な時間です。
とくに、急に見えにくくなったなど気になる変化があるときは、次の予約を待たずに受診されることをおすすめします。
→ 詳しくは別記事で解説予定です(準備中)「眼科の再診は、なぜ大切?」
4. 散瞳検査を受けずに帰ってしまう
散瞳検査では、目薬で瞳孔(黒目の中央の部分)を大きく広げてから、目の奥(眼底=網膜や視神経)を観察します。瞳孔が小さいままだと、のぞける範囲がせまく、目の奥のすみずみまでは確認しにくくなります。瞳孔を広げることで、網膜や視神経をより広く・くわしく観察でき、病気の早期発見にもつながります。
ただ、この目薬を使うと、数時間はまぶしく感じたり、近くが見えにくくなったりします。そのため、効果が回復するまでは運転を控えるよう、お薬の説明書(添付文書)でも示されています。散瞳検査をした日は運転を控えたほうがよいので、車で行く日は受けにくい検査です。診察のときに「次回は散瞳検査をしますか?」と医師に確認しておくと、車で行く日を避けやすくなります。ただ、目の症状によっては、その日に急きょ散瞳が必要になることもあります。「散瞳という検査がある」と知っておくだけでも、受診のときに心の準備ができます。
→ 詳しくは別記事で解説予定です(準備中)「散瞳検査の日に運転していい?」
5. コンタクトをつけたまま目薬をさす
市販の目薬の多くには、品質を保つための防腐剤が入っています。この成分はレンズに吸着して目に残りやすく、種類によっては装用したまま使うと目の負担になることがあります。意外と知られていないポイントです。目薬のパッケージで「コンタクト装用中に使えるか(対応/非対応)」を確認すると安心です。
→ 詳しくは別記事で解説予定です(準備中)「コンタクト中の目薬、外すべき?」
6. レンズケアをかんたんに済ませてしまう
こすり洗いを省く、ケースを水道水で洗う、保存液を継ぎ足す、1日使い捨てのレンズを何日も使う——こうした使い方は、目のトラブルのリスクが高まることがあります。消費者庁や日本眼科医会も、こすり洗いをする・水道水で洗わない・ケースを定期的に交換する、といったケアを呼びかけています。診察でも注意されやすいポイントで、日本コンタクトレンズ学会は「消毒液そのものより、こすり洗いとすすぎがいちばん大切」と説明しています。
→ 詳しくはこちらで解説しています:2weekコンタクトのケアがめんどくさい人へ
7. 自分でコンタクトの度数を強くする
「見えにくいから」とネット購入などで度数を強くする方がいますが、見えにくさは度数を上げれば解決するとは限りません。強すぎる度数(過矯正)は、かえって眼精疲労や見え方の負担につながることが指摘されています。また、眼鏡とコンタクトでは必要な度数が変わることも多く、自分にぴったりの度数を自分で選ぶのは簡単ではありません。見えやすさと目の負担のバランスは、検査をしながら眼科で相談して決めるのがおすすめです。
→ 詳しくは別記事で解説予定です(準備中)「コンタクトの度数、強くすれば見える?」
眼科を安心して受けるための3つのコツ

検査の前に、私たちが症状を伺うこともよくあります。心配なことが多いほど書きたくなりますよね。でも「今日いちばん診てほしいこと」が伝わると、私たちもそこにしっかり向き合えます。
コツ1:今日いちばん相談したいことを、決めておく
初診では問診票を書くことが多いです。ただ、「あれも、これも」とたくさん書いてしまうと、今日いちばん診てほしいことが伝わりにくくなることがあります。「今日はこれを相談したい」という目的をはっきりさせておくと、診察がスムーズです。気になることが複数あるときは、いちばん困っていることから伝えてください。
コツ2:きっかけになったと思うことも、伝える
「目薬を使った」「コンタクトをつけたまま寝てしまった」「目をこすった」「何かが当たった」——症状の前に思い当たることがあれば、それも教えてください。きっかけが分かると、私たちや先生が今の状態を判断する手がかりになります。言いにくいことでも、ありのままで大丈夫です。
コツ3:気になる検査は、どんな検査か聞いてみる
「散瞳」「視野検査」など、聞き慣れない検査をすすめられると不安になりますよね。どんな検査か・どのくらい時間がかかるかは、検査を担当する私たちにも気軽に聞いてください。どの検査が必要かは、目の状態を診て先生が判断します。検査の必要性が気になるときは、先生に相談してみてください。
まとめ:注意されたと感じても、次の受診のヒントに
- 症状が続くときは早めに相談
- 健診・再診は「確認の入口」
- コンタクトは目薬・ケア・度数に注意
- 散瞳検査は事前に相談
各テーマのくわしい記事も、これから順番に公開していきます。
気になることや迷いがあれば、ぜひ「これはどんな検査ですか?」と眼科で聞いてみてください。検査を担当する私たち視能訓練士にも、遠慮なく聞いてくださいね。
あわせて読みたい
参考文献・一次情報
- 消費者庁「コンタクトレンズによる眼障害について」(令和3年9月)/別添:日本眼科医会
- 日本コンタクトレンズ学会/日本コンタクトレンズ協会「正しいコンタクトレンズのケア」
- 散瞳薬 医薬品添付文書(ミドリンP 等)
- 名古屋大学医学部附属病院 薬剤部「自動車運転に注意を要する薬」
※この記事は一般的な情報提供を目的としています。症状や対応には個人差があります。気になる症状がある場合は、眼科を受診してください。

